ELDEN RING

※この記事ではモーグウィン王朝でのストーリーイベントのネタバレを含みます。また、断片的な情報を元にした考察ですので、公式の設定とは異なる可能性があります。

 エルデンリングに登場していながら、主人公と言葉をかわす機会がないため、多くの謎に包まれているミケラ。今回はそのミケラについて分かっていることをまとめたい。
 (なお、マレニアの“兄”という発言から「ミケラは男性である」という前提でこの記事では扱っている)

 ミケラはマレニアと同じく、女王マリカとラダゴンとの間の子である。そしてマリカの後継者候補とされる“神人”である。神人については、こちらの記事で詳しく解説している。
 ミケラは“ミケラの聖樹”という巨大な木を生み出し、そこで弱い立場の者たちを保護しようとしていた様子がうかがえる。その「弱い立場の者たち」とは何者か?これについては以下のアイテム説明を見てみよう。



 “しろがねの凝血”によれば、しろがね人とは「人に創造された生命」つまり人造人間・ホムンクルスのようなものである。また、そのことが原因で差別・迫害を受けていたことが推察できる。
 そんな“しろがね”の安住の地を探していたローレッタが、ミケラの聖樹を守る騎士となっていた。これはミケラの聖樹が“しろがね”にとって大切な場所、安住の地となったと捉えても違和感はないように思う。

 黄金樹(黄金律)によって否定された人々、祝福されなかった人々が安心して暮らせる場所を作り出そうとする、ある意味で黄金樹(黄金律)の否定である。

 また、“ラダゴンの光輪”という祈祷がある。


 「マレニアの腐敗の宿痾に対して効果がなかったから、黄金律を捨てた」と読み取れる。

 以上のことからも、ミケラはなにかしらの新しい国、新しい律の仕組みを作り出そうとしていたのではないか?と考えられるのである。
 黄金樹に代わるミケラの聖樹を生み出し、黄金律に代わる新しい律を作り出そうとしたのではないか、というのが筆者の推測である。

 またミケラはもうひとつ、興味深い行動を起こしている。それは“陰謀の夜”で殺害されたゴッドウィンとも関わることである。ソールの城砦にいる霊体の台詞を以下に引用する。

 「…申し訳ありませぬ、ミケラ様。まだ、太陽は蝕まれませぬ。我らの祈りが弱いばかりに 貴方の友は、魂無きままなのです… …もう、見ることは叶わないでしょう 貴方の聖樹を」

 魂無きままの友とは、ゴッドウィンであると推察される。これは以前の記事で書いた通り、ゴッドウィンは“陰謀の夜”によって魂だけの死を迎え、肉体だけが黄金樹の根本に埋葬されていることを根拠としている。
 さらにもうひとつ、根拠として考えられるのは“黄金の墓標”の説明文である。


 「正しく死んで」というのもやはりこの記事で触れたが、魂だけの死という不完全なものではなく、魂・肉体の両方ともに死を迎える完全な死という意味で解釈する。
 少年=ミケラとする理由としては、“血の君主の追憶”にミケラを「幼き神人」と呼ぶ一文があるからである。


 幼い男性=少年というのは、日本語の意味として妥当である。また同じソールの城砦の日蝕教会では“蝕のショーテル”という武器が手に入る。


 専用戦技「死のフレア」とあるが、死王子とはまさにゴッドウィンのことである。
 ここでもう一度、ソールの城砦の霊体が言っていたことを思い出してみよう。

 「まだ、太陽は蝕まれませぬ。我らの祈りが弱いばかりに 貴方の友は、魂無きままなのです…」

 ということは、逆に考えてみる。
 もし太陽が蝕まれていたら、友には魂が戻るということである。

 「日蝕教会」という名前の通り、ミケラは“日蝕”を意図的に起こすことで“ゴッドウィン復活”を目論んでいたということになる。

 しかし御存知の通り、ミケラは血の君主モーグによって誘拐されてしまっており、その計画は頓挫してしまったというのが実際のところなのであろう。
 血の君主に対して「幼き神人は何も応えなかった」とあるから、モーグの行動に対してミケラは同意していなかったことがうかがえる。やはりミケラには彼なりの目的・やり方があったようである。

 たびたび登場してくるゴッドウィンという人物だが、彼についても分かっていることをまとめてみる。というのも、彼が暗殺されなければならなかった理由というのが未だに分かっていないからである。



 ゴッドウィンの活躍によって“古竜戦役”という一つの戦争が終わり、敵であった古竜フォルサクスとも友となった。この逸話を元に、一つの信仰が生まれた。
 ここまでを考えると、彼はかなりの英雄的人物であったことが推察できる。王族でありながら戦いの前線でも活躍し、まさにゴッドフレイの息子に相応しき勇ましさである。

 また彼の死後にも、死竜フォルサクスやミケラが彼のために行動していた。


 どうにも、彼が暗殺されるほど悪い人物だとは考えられないのである。
 つまり“陰謀の夜”が起きた原因は、彼の人格が元ではないと言いたいのである。
 ゴッドウィン本人の性格や行動とは別のところに、暗殺事件が起きた理由があったのではないか。誰かの思惑で、たまたまターゲットとして選ばれてしまったのではないかと思えてならないである。

 このことについては引き続き調査を続けたい。