ELDEN RING

※この記事にはラニのイベントに関する重大なネタバレが含まれます。また、断片的な情報を元にした考察ですので、公式の設定とは異なる可能性があります。
 
 ラニの従者となって進めることができる一連のイベント。ただ単にラニとの信頼関係を築けるだけでなく、ここで初めて分かる重大な設定もあるため記事にまとめておきたい。

 以前の記事で“陰謀の夜(ゴッドウィン暗殺事件)”の首謀者がラニであったことが分かった。ではそもそも、なぜラニはそのような事件を起こしたのか。

 それを理解するためには、まずラニとはどういう存在なのかを知る必要がある。ラニのイベント中で聞ける台詞を、まずは引用してみる。
 (これを聞くには「イベントで行ける特定の祝福で休んでいる状態で、ラニに話しかける」必要がある)

 「デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが それぞれの二本指に見出され、女王マリカを継ぐ、次代の神の候補となったのだ。だから私はブライヴを授かった。神人の特別な従者としてな。…そして私は、二本指を拒んだ。死のルーンを盗み、神人たる自らの身体を殺し、棄ててでも 私は、あんなものに操られたくはなかったのだ。…それ以来、私と二本指は、お互いを呪っている。災いの影とは、あやつの刺客なのだよ」

 長いセリフのため、重要と思われる部分を抜き出して書いてみよう。

・女王マリカの後継者としてミケラ、マレニア、ラニが候補にあがった

・マリカの後継者候補は“神人”と呼ばれている
・“神人”にはそれぞれ担当の二本指がついている
・“神人”には二本指から特別な従者を与えられる
・二本指は対象を操るなにかしらの能力がある

 そしてラニの真意をまとめると「女王マリカの後継者として選ばれたが、二本指に支配されることがどうしても受け入れられず、自分の肉体を殺してでもそれから逃れたかった」ということである。
 どうやら“陰謀の夜”とはそもそもラニが自分の肉体を殺すための壮大な自殺自作自演に近いものだったことが分かる。

 そのために殺されたゴッドウィンの末路を思うと気の毒だが、これはラニが冷酷な性格というわけではない。「そうまでしないと逃げられないほど、二本指の支配力が強い」のだと考えられる。ラニも恐らく覚悟をもってやったことなのだ。でなければ、自分の行く道を「暗い路」とは表現しないだろう。

 その覚悟の結果、ラニは二本指を打ち倒すことができた。

 指輪を嵌める感動的なシーンの後、ラニの魔術師塔の祝福で休むと、もう一度彼女と話すことが出来る。そこで彼女は、この狭間の地を離れるつもりであると教えてくれる。

 彼女を支配するものはもうなにもない。ラニの物語はきっとここから始まるのだ。

 さて、ラニの従者についても新たな事実がわかった。ブライヴは、そもそもが二本指からラニへ与えられたものだったのである。

 少なくとも一番初めの時点では、ブライヴは二本指の支配を受けていたはずである。これは“王家のグレートソード”の説明文からも分かる。


 生まれ落ちた運命とは、二本指に従うこと。そうでなければ、わざわざラニ“だけ”に仕えるという言い方にはならない。二本指の命令に従うことをやめ、ラニの指示だけを聞くようになったと解釈できる。
 また“イジーの鏡兜”にも関係のありそうな部分がある。


 “指のあらゆる干渉を跳ね除ける”という点から、やはり二本指にはなにかしらの洗脳に近い能力があることが想像できる。だからこそ「自らの裏切り」を恐れた。二本指にコントロールされ、自分がラニを裏切ることをなんとか防ごうとしたのである。

 イジーには、この鏡兜があった。けれど、ブライヴにはそれがなかった。


 ブライヴは自らの忠誠心、精神力、ただそれだけで二本指の支配に抵抗し、ラニの魔術師塔の前で戦っていたのだ。その覚悟は、ブライヴの装備に刻み込まれている。


 しかし完全には洗脳から逃れられず、主人公と戦うことになってしまった。
 彼のいた場所には、死体がいくつも転がっている。おそらくこの刺客たちから、ラニの魔術師塔を守ろうとしていたに違いない。同じ死体が、イジーの周りにもある。
 倒れた彼らが持っている武器に注目してみよう。



 どうやら刺客の正体は、黒き刃の者たちのようだ。

 しかしこれでは、おかしなことになる。そもそも黒き刃とは、ラニに従い“陰謀の夜”を起こした暗殺の実行犯である。つまりはラニの協力者、共犯である。
 そんな彼女たち(黒き刃は女性のみで構成された集団である)が、なぜラニを襲うようになってしまったのか。

 これについてはまだ確たる証拠がないため、ここからは完全に筆者の推論になる。よければ、これを読んでいるあなたも一緒に考えてみてほしい。

 とりあえず今の時点で思いついた理由はふたつある。

・ゴッドウィン暗殺後、予想以上の追撃(攻撃)にあい、そのことで恨みを買ってしまった説
 一国の王子の暗殺ともなれば、大事件である。それが発覚した瞬間から、犯人を追って多くの兵士が動いたはずである。
 このことについては、封牢で黒き刃の長に勝利後、手に入れられる遺灰の説明文からも推察できる。


 グループのリーダーも危うく命を落としかねない状況ならば、その他にもメンバーの多くが怪我もしくは戦死していてもおかしくはない。
 逃亡途中で、かなり激しい戦闘があったことは間違いないだろう。
 そのことで、黒き刃のメンバーから恨みを買ってしまったのではないか、というのが第一の説である。特に、黒き刃の長は実の娘を亡くしている。復讐を誓う理由としては、充分である。

・二本指が黒き刃を操ってラニを暗殺しようとしている説
 既知の通り、ラニと二本指ははっきりと対立している。そのため二本指が刺客として黒き刃を派遣している説。
 先述したように、ブライヴやイジーは二本指の支配(洗脳)を恐れていた。実際にブライヴとは敵対関係にもなってしまったのである。
 ブライヴは己の強さでラニへの裏切りに抵抗したが、黒き刃の者たち全員がそう出来るとは思えない。よって、良いように手駒とされてしまっているのではないか、というのが第二の説である。

 どちらにしても根拠となるものが少ないため、今は想像することしかできない。それらしい記述を見つけたら、また改めて記事にしたい。