ELDEN RING

※この記事は断片的な情報を元にした考察ですので、公式の設定とは異なる可能性があります。

 すでにご存知のプレイヤーも多いかもしれないが、王都ローデイル内には円卓とまったく同じ構造の建物が存在する。以下にスクリーンショットをいくつか載せる。

 0.主人公を建物の中心に立たせた状態で表示したマップ


 1.建物の入口から見上げた図(円卓と同じバルコニーが上に見える)


 2.円卓(大祝福がないため暗くて少し見づらいが武器が刺さっているのは同じ)


 3.廊下(円卓のヒューグやローデリカがいる廊下と同じ)


 4.本が積まれた部屋(ギデオンがいる部屋と同じ)


 5.ベッドが置かれた部屋(フィアがいる部屋と同じ)


 このように、円卓とこの建物はまったく瓜二つの造りをしている。これらが無関係であるとは考えづらい。そこで、この記事では円卓がふたつ存在する理由について考えてみたい。
 根拠となるのは、この建物で拾うことができる複数のアイテムである。いずれも円卓と関わりの深いアイテムとなっている。
 まずは“二本指の祈祷書”の説明を見てみよう。


 これを使うことで“王たる回復”と“王たる癒し”の祈祷を覚えることができる。これらの祈祷の説明には、いずれも「王たる器と認めた褪せ人に 二本指が、特に授けた祈祷」と書かれている。
 かつてはこの建物の中で褪せ人や二本指が活動していたのではないか、というのが筆者の仮説である。つまりこの“円卓によく似た建物”が「旧・円卓」であり、現在の“主人公が拠点としている建物”が「現・円卓」ではないか、という考えとなる。

 この建物で取得できる他のアイテムについても見てみよう。
 現在の円卓であれば二本指がいるのと同じ位置の部屋に、“秘文字の剣”がある。


 はるか前、という形で円卓の過去の話をしている。現在とは違うということを強調しているかのようである。

 はじめに載せたスクリーンショットの3の場所、今の円卓でいう鍛冶師ヒューグがいるあたりでは“ハンマー”を拾うことができる。


 主人公は武器として手に入れるが、本来は鍛冶の道具である。ここにも円卓との共通点と思われるものがある。以前はここでヒューグが鍛冶をしていたのではないか、という可能性である。
 鍛冶師ヒューグは、自らを“円卓の虜囚”であるという。足につけられた鎖はそのための物であるらしい。彼の台詞を以下に引用する。

 「…ほう、この鎖が気になるか 見ての通り、虜囚の鎖だ。他の何でもない 円卓に縛られ、死なず、お前たちの武器を打つ 儂はただそれだけよ」

 「…おお貴女、お許しくだされ お許しくだされ まだ、足りませぬ。神には、届きませぬ けれどきっと、必ずや、貴女の願いを… お許しくだされ、女王マリカ…」

 「…儂の武器で、神を殺してくれ それが儂の、生きたすべて そして、女王マリカとの誓約なのだ そしてどうかあの娘を、気にかけてやってくれ」

 これらの台詞から読み取れることは二つである。
 鍛冶師ヒューグは、女王マリカとの誓約で神を殺すための武器を作っていること。そして、褪せ人の武器を打つために円卓に縛られていること。

 つまり、女王マリカは円卓の存在を知っていることになる。そしてヒューグに武器を作らせ続けることで、褪せ人の支援を積極的に行っていることも分かる。

 これは筆者の考えであるが、円卓とはそもそも「女王マリカが作った褪せ人の支援施設」なのではないかということである。女王マリカが作った施設ならば、王都ローデイル内に建物があっても何らおかしくはない。

 根拠はもう一つある。百智卿、ギデオン=オーフニールの存在である。彼は百智卿の名の通り、さまざまなことを識ろうとする、知的探究心の強い人物だ。
 彼の台詞を読んでみると、「私」と「円卓」という言葉を使い分けていることが分かる。例えば以下の台詞である。

 「円卓が、まだ居場所を知らぬデミゴッドは、4人いる
 (中略)
 円卓は、居場所を探り続けているのだ
 大ルーンを棄てたとされる、ラニ以外の居場所をな
 もし君が、その情報をもたらしてくれたのなら
 対価として、君に提供しようではないか。だけが識る秘宝、あるいは秘術を」

 「…おお、そうか!やはりミケラは、血の君主の元にいたか!
 君、それは素晴らしい情報だ
 円卓が、いやが識るべきすべての、最後のひとつ
 その手掛かりが、ようやく明らかになったのだからな
 …約束通り、君に提供しよう
 だけが識る、秘術。その最たるものをな」

 “私(ギデオン)が知っていること”と、“円卓が知っていること”を明確に区別しているようである。
 “ギデオンが知っていること”と“円卓が知っていること”が別だったとして、円卓が知るべきこととはなにか。円卓が褪せ人のための施設ならば、目的は大ルーンを集めることである。

 つまり円卓が一番に知っていなければならないことは、“大ルーンの持ち主の居場所”である。居場所を知らなければ、倒しに行くことも大ルーンを手に入れることもできない。
 だからこそ「円卓は、居場所を探り続けている」のだ。「大ルーンを棄てたとされる、ラニ以外の居場所」、“大ルーンを持っている者の居場所”を。

 そしてミケラは大ルーンを所持していない。少なくとも、主人公はミケラの大ルーンを見つけることは出来なかった。だからこそ「円卓が、いや識るべきすべての、最後のひとつ」という言い方になったのではないか。
 大ルーンを所持していないのならば、その情報は円卓にとって最優先事項ではなくなる。最も重要なのは、大ルーンのありかなのである。

 そのための情報収集役として、女王マリカはギデオンを選んだのではないか。その根拠となるギデオンの台詞を、以下に引用する。

 「…なるほどな。やはり聖樹は、抜け殻だったか
 (中略)
 …あの言葉、どうやら事実であったらしい
 …厄介なことだ。百智卿がこうまで識ることができぬとは
 女王の憂いも、むべなるかな…」

 最後の“むべなるかな(宜なるかな)”とは「もっともなことだ。その通りであることだ」という意味の言葉である。女王が憂うのも当然のことだ、といった意味の台詞になる。

 女王マリカはいったい何を憂いているのか?
 ギデオンの「識ることができぬ」こと、“識らなかったこと”である。

 つまり、女王マリカはギデオンに“識ること”を要求している。情報を集めることを期待している。何のために?円卓の活動のためである。

 武器を鍛えるために鍛冶師ヒューグを円卓に縛り付け、大ルーンの情報を集めるためにギデオンを任命した。褪せ人の戦いにとって特に重要な、“武器”と“情報”を確保するためである。
 そしてそのための活動拠点である円卓を王都ローデイル内に設立した。
 そう考えれば、あの円卓に瓜二つの建物が王都にあることも納得できるのではないか。

 仮にあの建物が円卓の古い拠点だったとして、では「なぜ円卓は現在の場所に移転しなければならなくなった」のか。
 これは筆者の考えになるが、大いなる意志がデミゴッドたちを見放したことと関係があるのではないかと推測される。以下に指読みのエンヤの台詞を引用する。

 「…ああ、大ルーンなら、デミゴッドたちが持っておるよ
 エルデンリングの宿主、神たる女王、マリカの子供たちがね
 彼らは皆、大ルーンの力に歪み、争い…… だが誰も、エルデの王にはなれなんだ
 だからこそ、お前たち褪せ人に祝福がもたらされたのさ
 …ほら、指様も仰っている
 “大いなる意志は、デミゴッドたちを、とうの昔に見捨てている
 褪せ人よ、遠慮は要らぬ。存分にやつらを殺し、奪うがよい”」

 デミゴッドたちは破砕戦争の後、大いなる意志によって見捨てられてしまった。その代わりとして、大いなる意志は褪せ人たちに期待をかけ、“遠慮はいらぬ”とまで言っている。

 当のデミゴッド達からすれば、これは宣戦布告にも等しい。

 デミゴッドから見れば褪せ人は、自分の命を奪い大ルーンを手にしようとする、明らかな敵である。そんな者たちの拠点(円卓)があれば、まず真っ先に襲撃するはずである。
 だから円卓は身を隠さなければならなくなった。明確に狙われるべき対象となってしまったからである。

 初めて円卓に訪れた際に表示される説明には、「この世界でないどこかにあり 祝福の移動でのみ、行き来ができる」とある。それだけ隠された場所でなければ、敵の多い褪せ人が拠点とするには難しいだろうということである。