NEXOMON(ネクソモン)

発売日:2022/3/31(PS5版)
ジャンル:RPG
評価:★★★☆☆
パチモンというなかれ!意外と楽しめるポケモンライクゲーム!
(筆者が遊んだ際のプレイ日記はこちら

 ソウルライクやローグライクなど、ゲームのジャンルとして“○○ライク”という言葉がよく使われるのがゲーム業界である。
 その中でも今回は“ポケモンライク”なゲーム「NEXOMON(ネクソモン)」を紹介していきたい。
 あれこれ言葉で説明するよりも、まずはゲーム画面を見てもらったほうが早いだろう。


 こういったゲームである。ちなみにこのタイトルは任天堂ハードでも遊ぶことができる。つまりきちんと(?)審査を通過しているので安心してほしい。
 草むらにいるネクソモンを捕獲し、4つの技を駆使してバトルをしながら世界を旅するゲームである。

 捕獲にはモンスターボールではなく、ネクソトラップを使う。ネクソトラップは二種類のみで、ノーマル(一定確率で捕獲)ゴールド(100%捕獲)かのどちらか。
 モンスターボールかマスターボールかの二択という、なかなか極端な調整である。
 しかもストーリークリア後はかなりの数のゴールドトラップを入手可能。マスターボール(複数)という大盤振る舞いが待っている。

 ネクソトラップは街にあるショップで購入が可能だ。買えるのはノーマルのみで、ゴールドはお金で購入することはできない。フィールドに配置されている(多くはボス討伐後のエリアにある)ものを入手するのみである。
 街にはもちろん、バトルで疲れたネクソモンたちを回復させる施設もある。


 説明不要!
 ちゃんとポケモンボックスネクソモンボックスもある。この端末でネクソモンを預けたり引き出したりして、パーティーメンバーを入れ替えるのである。
 連れ歩けるのは最大6匹まで。それ以上はゲットしたときに選択肢が表示され、手持ちと入れ替えるかボックスに送るかを選ぶことになる。

― ポケモンとの違い

1.技システム
 基本的なシステムはポケモンと同じなのだが、もちろん違いもある。
 最大の違いは“わざに関するシステム”であろう。ポケモンでは覚えられる技は最大4つまでで、それ以上はポカンと忘れさせる必要がある。
 忘れてしまった技を思い出させるには、専用のアイテムや専属のNPCが必要であった。

 このネクソモンでは、技はスキルパネルからの選択式となっている。


 このスキルパネルはメニュー画面から呼び出すことができ、バトル中以外ならいつでも操作が可能だ。
 好きな技をオンオフで簡単に付け替えることができる。並び順も思いのまま。次はレベルがいくつのときに技を覚えるかも表示されるので、けっこう便利だ。

 さらに戦闘中での技の使い方にも違いがある。
 ポケモンでは技ごとに使える回数が決められているPP式だが、ネクソモンではスタミナ式となっている。
 技ごとに消費スタミナが異なっており、それをスタミナの上限内でやりくりしていく形だ。

2.バトルシステム
 続いてバトルシステムに関しても、大きな違いが一点ある。
 ポケモンではこちらが先手で相手のポケモンを倒すと、相手は次のターンまで行動できない。(いわゆる死に出し)
 が、このゲームでは相手が次のネクソモンを出したあと、すぐに行動してくる。
 1ターンのあいだに、必ず先攻側も後攻側も一度は行動できることが担保されているシステムだ。
 先攻側が一撃で相手モンスターを倒したとしても、ノーダメージでそのターンを終わらせることは出来ないということ。
 HP管理にはけっこう気を配らなければならない。

3.ステータス画面、図鑑システム
 ステータス画面は必要最低限の情報しか表示されないので、少し不便だ。


 データベース的なものはあるものの、ポケモン図鑑ほど詳細ではない。見たことがあるネクソモンと、ゲットしたことのあるネクソモンが表示されるだけ。
 なにより生息地に関するデータはいっさい見られないため、取りこぼしがあるととても大変だ。
 取り逃してしまったネクソモンがどこに出現するか、ゲーム内で知る方法がないのである。とにかく虱潰しに草むらを歩くしかなくなってしまう。
 これに関しては海外の攻略情報サイトが充実しているため、そこに頼ってもいいだろう。

4.レアリティ
 ポケモンとは違い、ネクソモンにはそれぞれにレアリティが設定されている。
 これは例えばネクソモンAにコモン〜レジェンダリーのレアリティがあるのではなく、ネクソモンAならばコモン、ネクソモンBならばレジェンダリーといったように、固定式である。

 レアリティの段階は、
 【 コモン・アンコモン・レア・メガレア・スペシャル・レジェンダリー 】
 の6段階となっている。

 そしてレアリティごとに進化段階が決められている。
 ・コモン、レジェンダリー:進化なし
 ・アンコモン:一段階進化
 ・レア、メガレア、スペシャル:二段階進化
 といった具合である。この法則は図鑑を埋める際に予測が立てやすいため、非常に便利だ。

5.タイプの種類
 ネクソモンにはタイプが7つある。
 ファイヤー(炎)、ウォーター(水)、プラント(草)、ロック(岩)、ウィンド(飛行)、エレクトリック(電気)、ノーマル(ノーマル)である。

 タイプ相性は一部を除いてポケモンとほぼ同じになっている。ノーマルだけは攻撃でも防御でも弱点にはならず、常に等倍だ。
 ポケモンとタイプ相性の違うところは、例えば
 ・プラント(草) → エレクトリック(電気) = こうかはばつぐん
 ・ウィンド(飛行) → ロック(岩) = こうかはばつぐん
 ・ファイヤー(炎) → ウィンド(飛行) = こうかはばつぐん
 などがある。これに関しては、やっていくうちに意外と慣れる。

6.たいせつなものシステム
 ネクソモンの世界にも、いわゆる“たいせつなもの”的な便利グッズがある。
 ・ネクソスケート(じてんしゃ)
 ・EXPシェア(がくしゅうそうち)
 ・リペルスプレー(永続版むしよけスプレー)
 ・ネクソチャーム(レアネクソモンに会いやすくなる)
 特に便利なのが、永続版むしよけスプレーだ。回数制限がなく、もちもの画面からオンオフで簡単に切り替えられる。

7.ファストトラベルシステム
 ネクソモンの世界には“そらをとぶ”はないが、各地に置かれたトーテムからワープをすることができる。主要な街の近くには必ず置かれているため、そこまで不便ではない。

8.階級システム


 ネクソモントレーナーテイマーたちにも序列が存在する。
 ・ネクソロード(ポケモンチャンピオン)
 ・チャンピオン(四天王)
 ・総統(ジムリーダー)
 といった風にである。
 総統(ジムリーダー)たちはそれぞれ支配地域を持っており、好き勝手にその領地を支配しているというわけだ。このあたりはいかにもRPGらしい設定となっている。

― ストーリーについて

 このゲームにも、もちろんストーリーがある。これがなかなかに面白いものとなっているので、箇条書きにして簡単にまとめてみる。

 ・ネクソモンはかつて邪悪な存在であり、人間と敵対関係にあった
 ・人間は弱いネクソモンから少しずつ手懐け、より強いネクソモンと戦うための仲間としていった
 ・長い時間をかけてとうとうほとんどのネクソモンを懐柔し、ついに一人の英雄が最も邪悪なネクソモン“オムニクロン”を封印することに成功する
 ・現在のネクソロードは“オムニクロン”の復活を目論んでいる
 ・ネクソモンは本質的には邪悪な存在であり、“オムニクロン”が復活するとまた邪悪さを取り戻して人間と敵対してしまうかもしれない

 これがストーリー終盤までの流れである。さて、主人公はオムニクロンの復活を阻止できたのかどうか!? それは貴方自身の目で確かめてほしい。

 悪く言えば「パチモン」の一言で片付けられてしまうこともありそうな作品ではあるが、遊んでみると意外とハマってしまった。筆者は図鑑を完成させるところまで飽きずにプレイすることができた。
 やはり「自分で捕まえたモンスターを戦わせる」という基本的なシステム部分の面白さが大きいのだろう。
 海外ではこうした“ポケモンライクゲーム”がにわかに流行の兆しを見せており、実際にこのゲームのsteam評価は「非常に好評」(すべての期間)となっている。
 値段も1,000円ちょっとと手頃なので、興味をもったならばぜひプレイしてみて欲しい。

 最後に、個人的に一番気に入ったデザインのネクソモンを紹介する。


 ちなみに続編のタイトルは『NEXOMON(ネクソモン):絶滅』だ。
 って、絶滅するんかーい!