NEXOMON(ネクソモン):絶滅|レビュー
NEXOMON(ネクソモン):絶滅
発売日:2020/12/10(PS4版)
ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★★☆
熱いストーリー展開!前作よりさらにパワーアップしたポケモンライクゲーム!
(筆者が遊んだ際のプレイ日記はこちら)
本作は、以前このブログでも紹介した『NEXOMON』の続編だ。
『ポケットモンスター』のゲームシステムを、ひとつのジャンルとして追随した“ポケモンライク”ゲームである。
「絶滅」という不穏なサブタイトルが付けられているが、本当にネクソモンたちが絶滅してしまうのかはプレイをして確かめてみてほしい。
続編とはいっても、ストーリーとしては前作との直接的なつながりはない。そのため、本作が初めてのプレイヤーでも充分に楽しむことができる。
とはいえ、前作を知っていると“より楽しめる”場面があるのも確かだ。というのも、前作で登場したキャラクターたちが、敵も味方も含めて多く再登場しているからである。
よく知った人物と再会できたときの喜びは、前作をクリアしているプレイヤーだけが味わえる感情だ。他にも、前作を知っている人ならクスッと笑える場面がところどころに登場してくる。
―前作との違い
本作を前作と比較すると、パワーアップしている点が数多くある。ひとつひとつ見ていこう。
1.進化したアバターシステム
主人公の見た目は、男女合わせて36種類から選べるようになった。非常に多彩なデザインとなっているので、いきなり迷ってしまいそうである。
さらに、マスコットキャラクターを連れて歩けるようになった。マスコットはいずれもネクソモンと同じ姿をしており、お気に入りのネクソモンを擬似的に連れ歩けるシステムとなっている。
ただし、ネクソモンは全部で300種類以上いるのに対し、マスコットは38種類となっているため、あくまでも擬似的なシステムに過ぎない。
マスコットはフィールドに配置された宝箱から入手できるため、コレクションしたい人は道中の探索にさらに熱が入るだろう。
2.タイプは全部で9種類に
前作は7種類だったネクソモンのタイプは、今作で9種類となった。
炎、水、風、植物、電気、鉱物、ノーマル、ゴースト、超能力である。最初のパートナーも、この9種類の中から選ぶことができる。
新たに追加されたタイプは「ゴースト」と「超能力」の二つだ。どちらもノーマルタイプに対して“こうかはばつぐん”を取ることができる。
前作ではノーマルタイプに弱点がなかったが、今作ではついに弱点が追加されたことになる。タイプが追加されたことに伴い、タイプ相性にも変更が加えられている。
3.レベルアップをしても全回復はしなくなった
前作はネクソモンがレベルアップをするたびに、体力とスタミナが全回復していた。その仕組みを利用して探索を多少強引に進めることもできたが、今作ではそれが難しくなっている。
その代わり、フィールドに水色をした特殊な鉱石が置かれるようになった。
この鉱石は、触れるとパーティーの体力とスタミナが全回復するようになっている。ただし一度使うとしばらくは復活しないので、使い所を見極める必要がある。
4.ネクソモン捕獲用の“ネクソトラップ”も多彩なバリエーションに
フィールドには前述した“回復用の鉱石”の他に、シャードが取れる“素材用の鉱石”も配置されるようになった。
シャードはさまざまな道具の素材として使うことができ、また売ることでお金に換えることもできる。
シャードの主な使い道の一つとして、ネクソトラップがある。これはネクソモンを捕獲するための、いわばモンスターボールのようなもの。
前作ではノーマル(一定確率で捕獲)かゴールド(必ず捕獲)の2種類だったが、今作では各タイプに対応したネクソトラップが追加された。
つまり炎ネクソトラップであれば、炎タイプのネクソモンが捕まえやすくなる。そしてそれを作るためには、炎のシャードが必要だということだ。
5.コアを装備してネクソモンをパワーアップ!
シャードの使い道は、ネクソトラップの作成だけではない。
今作ではコアをネクソモンに装備させることで、能力をアップすることができるようになった。これは単純な攻撃力や防御力の強化だけでなく、取得経験値やお金もアップすることができる。
さらにはバトルに参加していなくても、一定の割合で経験値がもらえるという効果のコアもある。
コアは一体のネクソモンに最大で4つまで付けることができるため、パラメータを見ながら最適な組み合わせを考えよう。
6.餌付けをして捕獲確率アップ!
本作ではネクソトラップを投げる前に、捕獲できるかどうかの確率が表示されるようになった。これは様々な方法で確率を上げることができる。例えば、
・相手のネクソモンの体力を減らす
・状態異常をかける
・タイプに合ったネクソトラップを使う
・好みのエサを投げる
最後の「好みのエサを投げる」というのが、本作の大きな追加要素となっている。ネクソモンごとに3種類の好物が設定されており、好きなエサを投げると捕獲確率がアップする。
エサの種類はリンゴやオレンジのような果物から、ケーキやドーナツのようなお菓子……さらには寿司やおにぎり、なんてものまである。
エサの好みは図鑑で調べることができ、見た目に反して意外なものが好物だったりと、ネクソモンたちの個性を味付けするのに一役買っている。食べ物だけに。
7.サブクエストシステムの追加
今作の主人公は、ギルドの一員として活動していくことになる。ギルドのメンバーにはさまざまなクエストが課せられ、それらをこなしていくことで評価がアップする。
評価が一定レベルに達すると、ギルドでのランクも上がっていく仕組みだ。そのため、サブクエストのクリアも欠かせない。
ただ淡々とストーリーを進めていくのではなく、寄り道としての要素も追加されているかたちだ。
8.進行にあわせて強化される野生ネクソモンとライバルたち
今作では、フィールドにいる他のネクソモン使いたちと繰り返しバトルができるようになった。ライバルたちは戦うたびに強くなり、進化後のネクソモンを使ってくることもある。
さらにストーリーの進行に合わせて、野生のネクソモンやライバルたちのパーティーのレベルがどんどん上がっていく仕組みになっている。
ストーリー終盤に入る頃には、野生のネクソモンでも60~70レベル台に到達し、常に歯ごたえのあるバトルが楽しめる。
レベル差でゴリ押すような戦いはあまり出来ないようになっているため、パーティーメンバーはしっかり育成しよう。
これ以外にも、さまざまな点で前作から改良が加えられている。
・ネクソモンにニックネームが付けられるようになった
・状態異常の残りターン数がバトル画面に表示されるようになった
・ネクソボックスを細かく分けて整理整頓できるようになった
もちろん、全体的なグラフィックも向上し、ローカライズも前作より安定している。さらに良くしよう、進化させようという意気込みが感じられる、とても好感度の高い続編となっている。
正義と正義のぶつかり合い、熱いストーリー展開!
まずは簡単なストーリーのあらすじを箇条書きにしてまとめておこう。
・舞台は、前作の主人公が邪悪なネクソモンの王“オムニクロン”を倒してから千年後の世界
・次なるネクソモン王の座を巡って、“暴君”と呼ばれる強力なネクソモンたちが日夜争いを繰り広げている
・暴君の脅威から身を守るため、人々はギルドを立ち上げた
・物語は、主人公がギルドの一員となるべく旅立つところから始まる
※ここから先はストーリー終盤のネタバレが含まれます。
各地で暴れまわる暴君の影響で、人々の生活は疲弊し荒んでしまっている。そこで立ち上がったのが、ギルドマスターのアメリエだ。
彼女は人工的に強力なネクソモンを生み出し、ヴァドスと名付けた。
ヴァドスを次の“ネクソモン王”の座に就けることで争いをなくし、人間がすべてをコントロールしようというのが彼女の考えだ。
しかし、その計画には問題があった。
ネクソモンの王座に就けるのは「オムニクロンの血を引くものだけ」であり、人工的に生み出されたヴァドスにはその資格がない。
よって、王座を巡る争いは終わることがないのである。
しかしアメリエは自身の正義を疑わず、ヴァドスの圧倒的なパワーで暴君たちを葬り去ろうとする。
ここで重要なのは、アメリエは決して私利私欲から行動しているのではない、ということである。彼女は暴君によって傷つき、疲れ切った人々を目の当たりにして、それを何とかしようと立ち上がった正義の人である。
だからこそ、彼女によって生み出されたヴァリスも人間のために力を使おうとする。そして、人間を傷つける暴君たちを憎んでいる。
対して、主人公はどうなのか。
終盤のストーリーで、主人公はなんとあのオムニクロンの孫であることが判明する。
オムニクロンの直接の子供たちは前作で打ち倒されてしまっており、ネクソモン王の正統なる後継者は主人公ただ一人であることも分かる。
邪悪な王オムニクロンの血を引きながら、人々の平和のために争いを終わらせようとする主人公。
ヴァリスの力を使い、主人公ともども暴君たちを消し去ろうとするアメリエ。
どちらも、人々が安心して暮らせる世の中を作ろうという気持ちは同じなのである。
だからこそ最後は正義と正義のぶつかり合い、熱いネクソモンバトルが繰り広げられる。
平和の王となるため、主人公は自身の身体をネクソモンの姿へと変え、ヴァリスとの最終決戦に挑む。
暴君たちの協力を得て合体し、パワーアップ!さらに盛り上がる展開だ。
ここまで「変身」「合体」とプレイヤーのテンションを上げる要点をバッチリ押さえている。素晴らしい。
そして最後は……。
この戦いの結末はどうなったのか、彼らの信じる正義はどう貫かれたのか、それは貴方の目で見届けてほしい。
価格が手頃なことからボリュームの少ないゲームだと思われがちだが、筆者はストーリーをクリアするまでに30時間を要した。クリアまで飽きることなく進めることが出来たし、特に終盤はストーリーの続きが気になって早足でプレイしてしまったほどだ。
価格を考えれば、満足度は十分すぎるほどと言える。
ポケモンライクゲームを触ってみたいという方には、間違いなくオススメできる一本となった。
次回作が大いに楽しみだ。
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